“WEEKEND”, 2020 [Video]

“WEEKEND”
(2020年/104分/シングル・チャンネル・ビデオ)

2018年より「退屈の音楽」をコンセプトに始動したプロジェクト「WEEKEND」で制作された3部構成の長編映像作品。
近年、core of bellsは「退屈」に加え「気配」「幽霊」などをテーマに制作、実践を行っているが、これは2011年に東日本大震災と福島第一原子力発電所事故以後の日本の状況を反映している。
放射能という目に見えない脅威による日常的な恐怖と不安。計画停電の暗闇のなか、劇的な出来事の緩慢な進行を感じながら過ごした「退屈」とも取れる時間。あの時の経験が示唆したのは、世界の崩壊も含む変化は人々の分かりやすい形では現れず、「気配」や「幽霊」のような捉えどころのないものとしてしか現れない、ということだ。
「退屈な音楽」とはそのような現実を吟味するものであり、本作ではこれまでcore of bellsの演奏や公演で扱って来た「退屈」な時間の受容、世界に遍在していく「気配」や「幽霊」について、記録撮影ではなくストーリーやエピソードにすることでそれらの体験の共有を試みている。

ストーリー:
舞台は、気候変動による自然災害の多発や放射能汚染が続き、人類の殆どが死滅してしまったあとの世界。残された人々は、過去の人々の日記を元に旧世代を再演することで、旧世代の人々が掴み損ねた崩壊の予兆を探ろうとしていた。
物語は一人のアーティストの日記と記憶の再演にフォーカスされる。残された人々は室内で日記を朗読し、アーティストの過去を人形劇で再現し、作品やパフォーマンスを再演する。そこでは、旧世代の人々が掴み損ねていたものが、彼らにとって退屈過ぎて捉え損ねてしまうような緩やかな変化の中にあることが示される。残された人々はパフォーマンスの再現を続けるうちに、再現で扱っていたゴミや幽霊そのものに姿を変え、外側の世界へと広がっていく。

制作/脚本/演出/編集: core of bells(會田洋平、池田武史、山形育弘、吉田翔)

撮影監修/編集:中川周
録音:片岡敬、松野泉、田中淳一郎
整音:弥栄裕樹
出演 : AZUMA HITOMI、石井華織、伊藤草良、稲垣晴夏、uami、亀田七海、 島田桃子、菖蒲理乃、高山玲子、中村円 、7A 、ひらく、ミレー
挿入歌:uami

協力:青柳菜摘、荒木悠、足立靖明、伊藤真希子、伊藤葉子、岡本大河、岩橋優花、植松幸太、鐘ヶ江歓一、柏本奈津、草野なつか、黒川幸則、柴山里彩、新宮隆、鈴木卓爾、瀬木俊、田上望、田中真琴、土屋光、徳留歌織、長谷川弘嗣、三浦翔、森本華、安川有果      
オランダ王立芸術アカデミー、株式会社ジャパンヘルスサミット 、旧グッゲンハイム邸、空間現代、外、テルモ生命科学振興財団

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