“WEEKEND”, 2020 [Exhibition]

写真:中川周

“WEEKEND”

2020年に藤沢市アートスペースで開催されたcore of bells単独の展覧会。
本展は、「退屈」「気配」「幽霊」をテーマに制作、実践を行って来たcore of bellsの新たな到達点である長編映像作品『WEEKEND』と、同作品のモチーフが偏在していくインスタレーションによって構成されている。
会場は2つのエリアに分かれており、第一のエリアでは散乱する紙製のゴミや生活用品の断片、その中心に腰掛ける紙製の人形、蝶番で繋がれ並立する衝立にディスプレイされた巨大なドローイング、壁面に立て掛けられた人工植物を模したオブジェクト、実物の枯木などによるインスタレーションが展開され、第二のエリアでは映像作品『WEEKEND』が再生を繰り返し、スクリーン上でスーベニアジャケットに身を包み過去の記憶を再現する人々と、徘徊するゴミや幽霊たちが「退屈の音楽」を奏でている。

以下、ステイトメントより

私たちの生は、瞬間的な幸福や興奮よりも、それらが過ぎた後や、訪れる予兆にある、無為でそれとは意識できないような「退屈」なことや時間で満ちている。そして「退屈」とはごく身近な感覚であるとともに、私達がまだ受け入れる方法を知らないものたちと接している局面であるとも考えられる。なぜなら、私達を含めた世界は常に何かを楽しませるため、理解されるためにあるとは限らないのだから。

それは計画停電が実施された部屋の暗さによって、自宅待機を余儀なくされた窓から眺める外の景色によって、ふと気付かされるだろう。そして、私達が何から目を逸していたのかも。たとえば、世の中に崩壊みたいなことが起きるとして、それが「退屈」に起きないとも限らないし、現に私達はその只中にいるのではないか。

音楽に出来ることは、現在を劇的な瞬間として戯画化することではなく、ともすれば忘れてしまいそうなとりとめのない時間として記憶し、再生を待つことだ。私達の音楽が、あなたが生きている「退屈」を示唆し、その中で再生されることを願います。

会期:2020年10月10日(土)〜2020年12月20日(日)
会場:藤沢市アートスペース
URL:https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bunka/FAS/exhibition/ex040/index.html

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